X_TRADER ユーザーのための TT ガイド

X_TRADER と TT の Autospreader

X_TRADER と TT の Autospreader

X_TRADER と TT プラットフォームの Autospreader を使って、独自の合成カレンダー スプレッド、 銘柄間スプレッド、取引所間スプレッドを作成して取引できます。ただし、2つのプラットフォームでは Autospreader 機能は幾つか異なり、TT の Autospreader の使用にはさらに以下のような利点が追加されています。

  • 設定インターフェースの向上
  • X_TRADER にはなかった TT での追加機能
  • 全体的な性能の強化

X_TRADER と TT での Autospreader 機能の差異

X_TRADER では、X_TRADER で設定可能であった Autospreader 機能の多くは、TT プラットフォームのAutospreader に統合されている、設定済みの [Autospreader Rules] で利用できます。これらのパラメータは TT の Autospreader 設定インターフェースから除去され、他のパラメータが1つのパラメータに統合されました。これにより TT のインターフェースがより効率的かつ簡素化されました。

以下の表には、X_TRADER のスプレッド設定パラメータがどのように TT プラットフォームの [Autospreader Rules] にマップされているかが示されます。

X_TRADER パラメータ Autospreader Rules
基本スロップ (Basic Slop) (TT) Basic Slop
インサイド スマート クォート (TT) Inside Smart Quote
スマートクォート リミット (TT) Inside Smart Quote with LIMIT
ヘッジ ラウンド (TT) Hedge Round
最大注文変動範囲 (TT) Max Order Move
プレ ヘッジルール (TT) Minimum Increment Hedge、(TT) Send Hedge as Market Order、(TT) Hedge Price Limit、(TT) Liquidity Based Backoff Tick (TT) [Hedge Round] と独自のカスタム ルールに加え、TT では、取引所にヘッジ注文を送信する前に評価およびトリガーを行う追加のプレヘッジ ルールを提供しています。
ポスト ヘッジルール (TT) Time Based Go To Market、(TT) Ticks Away Based Go To Market、(TT) Liquidity Based Payup Tick 独自のカスタム ルールに加え、TT では、取引所にヘッジ注文を送信した後に評価およびトリガーを行う追加のポストヘッジ ルールを提供しています。

: X_TRADER の [Base Volume Lean] と [Offset Volume Multiplier] の Autospreader パラメータは、TT の [Minimum Lean Quantity] パラメータに統合されました。

X_TRADER と TT での価格コンポーネン単独としてのスプレッド レッグの使用

X_TRADER と TT のAutospreader は両方ともこの機能をサポートしていますが、各プラットフォームでは異なった設定がされています。X_TRADER では、スプレッド レッグに [Ratio] パラメータを 「0」 に設定し、スプレッドで価格コンポーネント単独として使用します。

TT では、Autospreader で 「アクティブ クォート」と「ヘッジ有効」パラメータの両方を無効化することで、この機能を設定できます。

X_TRADER と TT での1スプレッド注文の複数口座

両方のプラットフォームとも、1スプレッド注文につき複数の口座を選択できる機能をサポートしています。X_TRADER では、ルーティング設定ダイアログ ボックスを開いて、スプレッド注文にブローカーまたは顧客プロファイルを選択し、スプレッドの各レッグに別の顧客や口座を選択します。

TT ではまた、スプレッドの各レッグに個々の口座も選択できます。TT で複数の口座を使用するには、スプレッド注文の口座に「Multi」を選択し、必要に応じて各レッグにそれぞれ異なった口座を選択します。例えば、別の取引所の別の口座を使って、クロス取引所スプレッドの注文を発注したり、別の口座や別のブローカーの間で注文を分割することができます。

X_TRADER と TT のスプレッドの起動

Autospreader Strategy Engine サーバーは、X_TRADER と TT プラットフォーム両方のために、TT データ センターの取引所マッチング エンジンと一緒に共同設置されています。TT では、共同設置の Autospreader Strategy Engine への最適送信とは、スプレッドの最初のレッグに基づいているので、X_TRADER で行っていたように、スプレッドを起動する際に手動でサーバーを選択する必要はありません。

X_TRADER と TT のスプレッド設定の共有

スプレッド設定の共有 (インポート/エクスポート) も TT では単純化されています。合成スプレッド設定を共有するために、X_TRADER クライアント端末から、設定ファイルを手動でコピーおよび貼り付けする必要はありません。

TT でのみ利用可能な Autospreader 機能

設定インターフェースでの効率に加え、TT の Autospreader には X_TRADER では利用可能でなかった以下の追加機能が含まれています。

TT での Autospreader の性能の利点

TT と X_TRADER で比較した場合の Autospreader 使用の利点には、スピードが挙げられます。TT の Autospreader は X_TRADER の Autospreader に比べてスピードが向上されています。スピード向上とヘッジと再クォート遅延の軽減の理由の1つに、TT の Autospreader サービスは Linux ベースであるに対し、X_TRADER の Autospreader サーバーは Windows ベースであることです。Autospreader コードは TT で再作成され最適化されているに対し、X_TRADER プラットフォームの Autospreader は既存の X_TRADER コード ベースの上から作成されていて、追加の遅延の対応が導入されています。

X_TRADER には、既定で有効化されている Autospreader パラメータが幾つかあり、Autospreader Strategy Engine により値を有効にする必要があります。TT では、スプレッド設定で各パラメータを有効化できる選択肢があります。TT の Autospreader Strategy Engine では、設定や有効化されていないパラメータはすべて無視されるので、処理にかかる時間が少なくなります。

TT ではまた X_TRADER で提供されていない遅延データを提供しています。TT の [Audit Trail」 (システム履歴) では、[TTLatency] 列と [ExchLatency] 列に実際の実現遅延が表示されます。

TT Prime

TT の Autospreader の使用の利点にはさらに、TT Prime プレミアム サービスの利用が可能であることが挙げられます。

TT Prime を使用すると、以下の利点が挙げられます。

  • Autospreader と [Order Router] を1つのプロセスに統合することで、内部プロセスの通信遅延がなくなります。
  • 注文の送信とスプレッド エンジンは同じサーバーにあるので、注文の送信時や取引所から約定を受信した際、追加ネットワーク ホップはありません。
  • 各 TT Prime の展開のユーザーは、自分が取引するスプレッドに必要な特定の銘柄の価格のみを消費します。
  • TT Prime ユーザーは、他の会社からのユーザーと、マシンの情報を共有することはありません。
  • 実現再クォートとヘッジ統計を含む、毎週のパフォーマンス レポートが提示されます。